花系男子はアナタっ子
それぞれの気持ちを
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今年の冬は、暖冬と言われてるみたいだけど、本当にその通りで。
「わあ……綺麗!!」
私たちはスキー合宿の帰りに見た、フラワーパークにやって来た。
一面色とりどりの花が咲いていて、冬だからイルミネーションもやっているらしく、昼間とはまた違う綺麗な景色をみれることにワクワクしている。
「……いい香り。僕たち、アルストロメリアの花はどこにあるんだろう」
「ね、探したいよね!千莉っ」
「ひまわりもあるんですかね!?」
他のお客さんに注目されながらも、その目を気にしない三人は人一倍おおはしゃぎ。
「お前ら、落ち着け」
「時間はたっぷりあるんだから、ゆっくり見ていこうね。すみれちゃん、足元滑ると危ないから手を繋ご──」
「だいじょーぶ、ぼくと千莉で繋ぐから」
「ね、すみれ」
はしゃいでいて前を歩いていた夢莉くんと千莉くんにいつの間にか手を繋がれ、奥で太陽くんが騒ぎながら戻ってくる。
「……あらら、先を越されちゃったみたいだ。僕らは後からだね、蒼葉くん」
「だな」
「おや?冗談のつもりだったんだけど?」
「ふんっ、残念ながら本気だ。ってことで、双子の次予約だからな」
蒼葉くんはそう言って、先に歩いていくと、『僕も予約ね』と橙果くんは小さな笑みを浮かべながらついていった。
「よーし、ぼくらの花をさがそー!」