花系男子はアナタっ子





三人が女子に囲まれるのは外の次に教室。
授業以外はずっとこんな感じだ。

「えーと、左が夢莉くんで右が千莉くん!」

「ぶっぶーハズレ。ぼくが右でこっちが千莉でしたー」

「あちゃー!外れたぁ」

「二人とも可愛いもんね!」

「ふふっありがと」

「褒めてくれるのはいいけど、全然ぼくらの見分けつかないじゃないっ」

双子の見分けごっこが流行っている?のかな。
話し方以前に見た目で分かると思うんだけど。

……ちなみにこちらも見てみよう──

「ねぇねぇ蒼葉くんの好きなものってなにー?」

「あ、気になる!」

「……別にない」

「えーそうなの?」


うわぁ……凄い眉間にシワ……

話しかけんな、って空気を纏ってる。
そんな蒼葉くんへお構いなしに話しかける女子たちは凄い。

登校した瞬間に女子に囲まれ、
昼食の最中には見に来た女子から黄色い声を浴び、移動時間には必ず一緒にいく女子が沢山──

最早、芸能人並みの人気なのでは……?

私は少し距離を置いて、三人の様子をうかがってるけど、登校から門の外に出るまで三人には休まる時間がないように感じる。

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