花系男子はアナタっ子

我慢しない





そんな日々がしばらく続いたある日。


「すみれちゃん、ちょっといい?」

「え?うんいいけど」


普段ほとんど話さない女子グループに呼ばれ後ろをついていけば、人がいない屋上前の階段まで連れてこられた。

徐々に生徒たちの声が遠のき、吸った空気がひんやりとしたものに変わる。


「少し前から気になってたんけど、すみれちゃん、あの三人と最初から知り合いだったの?」

「というか、そうだよね」

「編入初日から一緒のとこ何回も見たって話、聞いたんだから」


追い詰めるような鋭い視線が、真っ直ぐ私に突き刺さる。


「えっと……」


本当はもらった花です、とは言えないし……。
言ったところでもっと悪い方向に話がいっちゃうだろうから……
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