花系男子はアナタっ子
まずは小型の扇風機の温度を下げて、風量を強くしてみることに。
「おーなかなかいい。すみれ、ぼくいい感じ」
「人はいいね、こんな風に涼しい風も自在だなんて」
効果はあるみたいで、胸を撫でる。
だけど、また違う心配がうまれた。
扇風機のおかげ?もあり、さっきよりも涼しい空間になったけど……
──蒼葉くんは大丈夫?
温度調整しても、なんの文句も言わないまま雑誌を読んでる。
「あ、蒼葉くん?」
「あ?」
「その、平気?」
「何が」
「逆に寒い、とか……我慢したりしてないかなって」
「ああ……そういうことか」
蒼葉くんは読み終えたのか雑誌を閉じる。
「俺はこの双子と違って夏にも冬にも強いからな。ある程度は全然余裕」
「かんっぜんに皮肉込められた言い方された」
「仕方ないよ。僕たちは違う花同士なんだから」
「そうだけどっ」