「私は、武器」
外に出たら殺されてしまうかもしれない、大怪我を負ってしまったとしても自分には手当をしてやれるだけの道具や術などないのだから、出来ればそのまま、綺麗な体のままで成長して欲しいと、二人だけに通じる文字で伝え、懇願されていた。
小屋の中には、少年が時間をかけて作り上げた、二人で生活をして行くには困らない程度の品々がびっしりと詰まっていた。
布団代わりの絨毯に、柔らかな糸で編まれた掛け布団、食べ物を細かく砕くすり鉢に太く短い棒、灯かりはランプと、日々補充され、尽きることのない蝋燭。
私の暇をつぶすものだと言って、たくさんのガラクタを持ち運んで来ては、これらで何かを生み出してくれと彼が言うので、いつも手を動かしていた。
しかし、それらが決してガラクタなどではなかったことに、6つになる時に気が付いた。
気の向くまま、直感だけで組み立てていたものは、人を殺す為の武器の部品たちの寄せ集めだったのだ。
何故、わかったのか。
単純な話しで、なんとなく出来上がったオモチャに弾を入れて、引き金を引いてみたからだ。