ライズ
「ごめんね。わたし今ちょっと大変で…日誌書いて出しといてもらえるかなぁ…?」

目は若干潤ませて上目遣い。手は口元に少し添える。さぁどうだ丸越!!書いて!!面倒くさいから!!

「はっはいぃ―――っ!」

真っ赤になったかと思うと凄まじい速さで走ってどこかに行ってしまった。
へへーんやったねっ

「~~っぶっははは!!おー前最悪!!丸越超ー可哀相!!」

丸越が去った拍子に堪えていた笑いが大爆笑に変わった依飛。
それで大爆笑してる依飛も結構酷いと思うんだけど…

「はーお前はほんと男を陥れながら生きてるよな」
「あんたは女を弄びながら生きてるよね」

ワックスでセットされた黒髪に整った顔立ち。182cmの長身に程よく筋肉のついた体つき。

「うっせー魔性」
「色魔に言われたくないね」

いつもこんな感じのやり取り。
こんな会話でもわたしにとっては大切。

「どっこいどっこいだよ」
「どんぐりの背くらべ」

そう言いながら机の横から顔をだしたのは敦子(アツコ)とひよ。
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