人食い寺と新聞部
鬼になった子どもたちは最後に大きな窯の中に入れられて、グツグツと煮られるそうだ。

子供たちが煮えている間にも、この歌はずっと続く。
そしてひもじい思いをしている子たちは、煮えた友人をつついて食べる。

これは「あぶく立った煮え立った」と少し似ている。
あれも鬼を煮て食べるシーンのある遊びだ。

だけどこの町で行われていたのは遊びではない。
本当に食べられていたのだ。

食べられた子どもたちは、行方不明として処理されるが、嘆き悲しむ親は少なかった。

1時間後には自分も、そして自分の子供も餓死しているかもしれない。
そんな状況では悲しむに悲しめない。
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