お利口?不良?ハイスペ御坊ちゃまがご令嬢と熱愛してスパダリになっちゃいました♡

1.まさか俺が殺されることなんて考えてもいなかった馬鹿

 経営者にSNSを触らせるなキケン。

「ほんとに俺の話がわからねえ奴らだなあ、何年生きてんだ?」

 それは、誰よりも上から目線の暴言厨になってしまうからだ。その自制が効く様に顔出しするのが縛りなのだが、天野律はしなかった。

「アナタ言い過ぎ」

 何故なら、言葉とは対照的に笑ってくれる妻と一緒にSNSを遊んでいたから。

「だってさあ、あんなの只の憂さ晴らしだってよ。姑、お局な真似ばかりするから過激になってきちまうんだよ。好きだっつったのに感謝の反対か?舐めてくれんじゃんこの俺のことをさあ」

 なんでこのお馬鹿さんは自分からムカつく言葉ばかり探しに行ってしまうのか?

「こんなにカッコいいのにおかしな子もいるものね」
「まっぶ♡ 後で抱くで待っとって」
「今日は昨日よりも激しそう♡ちゅ」

 リアル→ネット→ネット越しのリアルと闇堕ちしていく俺は、こんな俺でも愛してくれる妻へのラブレター小説投稿での黒歴史が止まらなくなって来てしまった。それもタイムカプセル学生気分でいてしまったからの言い訳ばかり。

♢♢♢

「芳乃オオ」
「どうしたのよ」

 冬キャンプに来てた夫婦は、WEB小説を書いてこのことを自慢したい最中の夫と、自慢させる為にも、おしゃキャンしてる妻に行動が離れていた。

「ぶっ殺された!ここ押してみ?」

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「進化してる…書くことさえも出来ないんだ」
「終わった。前までは通報に時間差があったので命拾いしたが、通報頻度が増せば確殺ね、殺人と一緒だな。死んだよ」
「泣かないでよ…」

 まるで赤ちゃんでも通用する美男美女は、ネット社会で三年近くなら生存出来ることを確認した夫婦は、急に他人ではなく、自分達を自分で責め出した。

「ワルだから悪いとは思ってたけど、責めちゃダメだな」
「私のせいだって思われてる」
「責めんな。それも俺だけだって、泣いてくれんのは嬉しいけどさ」
「毎日の楽しみ奪われた。腹立つ」
「それでいい。可愛い過ぎ。だから、ぜってー戻って書く。考えるわ」

 こうなったのは全部俺のせいなのに、妻が俺とシテ来たことを後悔する顔を見ると天野律は眼が血走って来た。

♢♢♢

「ミステリー…犯人探しはダメだ角が立つ。異世界ファンタジー…反省してないと思われるダメだ。恋愛っつってもまたセクハラとかの先入観にダメだ。作家が自我を出し過ぎた…わざとだけど、俺ならってアイツにカッコつけたかっただけなのに」

 天野律は若気の至りで作家生命が絶たれてしまっていた。
名前を変え、ROMって、只管に小説を書くべきではあったが、彼の青春が、妻への純愛が、それこそ死んだことに無くなることになると執念に燃えた。

「考えが纏まらない?」
「荒ぶってる、寄んな。その焚き火よりアチイ」
「絶好調ではありそうね」
「敵意は抱くな、俺は王子様。ねちっこいにねちっこくなんな?」
「私ね、そんなアナタと小学生の時に会ってみたい。それじゃダメなの?」
「イケそう。オモロイ?」
「いきなり面白い女にはしないでよ」

 天野律は、妻芳乃の注文に襟を正した。

「うん。大丈夫な投稿サイト何処にしよう?」
「カ○ヨムはまたな○うと同じでダメそう。叔母様方がいないサイトってない?」
「アルフ○ポリスとかノク○ーン年齢が高そうは返ってダメだろ?な○う以下ってあんのかな?調べてみる」

 数分後

「これはウケ。野いちごだってよ、人気キーワード群俺のこと大歓迎過ぎない?見てみ」
「エグい笑 若い女の子しかいないサイトね、でもこれはこれでちょっと不安」
「そのままモジって書くってお前とのこと。大丈夫」

 そうして、夫婦は小学生に転生した。叔母様に胸キュンスカッとしたら通報、ブロックされた問題児が、今度は誰の何をわからせずにいられるかは誰も知らない。ちゃお。
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