お利口?不良?ハイスペ御坊ちゃまがご令嬢と熱愛してスパダリになっちゃいました♡
5.なんでアイツ来ねえの?
「みんな横から、横から、俺だけじゃムリだって!」
「お前の球は慣れんのもはええんだってザコ!」
「回転かけんのにも限界あるって!つか避けんなザコ!」
いつも最期にはコートに残る二人が、キャッチボールの様にドッヂボールをしていた。そんなことはどうでもよくて、、、。
「もう颯馬さん当たってよお〜私たち退屈なんですけど〜」
「ドッジ鬼っすか!もう小6だろイイ加減好きな子だけ狙ってけー!」
「天野くんどうしたの?」
俺は自分で言っておいて、好きな子がいるのに、いない青空とグラウンドの水平線に向かって、ぽっかり心の穴が空いてるように立ち止まり、そのまま泣きそうになってしまう。
「なんでアイツ来ねえの?」
「お前らクラス戻れ、先生にコイツもうダメだって伝えて欲しい」
颯馬が、俺の肩をどうしちまったんだよと揺さぶるのに、俺はそのまま揺れてるだけだった。
♢♢♢
「色紙書くんだけど、みんなで回して欲しい。俺、皆城のこと虐めちまったみたいで謝りたい」
「そんなことないと思うけど、なんて書けばいいか困っちゃうね」
坊主の顔をみた時、俺はこんな筈じゃなかったと強い違和感を覚える。
「律君、別に悪いことしてないよ、あの子が勝手にキレただけでしょ」
「やめとけ。死にたいって顔見えねえのか?」
普段はポーカーフェイス気味な俺は、フラットに近い気分だったり機嫌の時だけで、急上昇、急降下するとすごく顔に出やすい幼さが残ってる。
「色紙はいいや、死神な俺なんかにみんな気使ってくれてありがと。ってもなあ」
「お家がでしょ?お嬢は、そっとしておくしかないんじゃないかな?」
「っぽいよな。変に刺激したら返って来れないんじゃねえか?」
不登校になった皆城芳乃をクラスに戻すにもみんなで頭を悩ませる。
「ビラってのが思いついたけど文化祭待てねえし、待てよ?」
「律は生徒会長って思い出させてみた」
「坊主がいるって俺には」
アニメの見過ぎだろと背中を叩きつつも、そのアニメでアドバイザーになってくれる坊主を愛おしく抱き寄せはしないが、友情の握手をする。
♢♢♢
「感謝祭の出し物をみんなで決めたいと思います」
学級委員長でもある俺は、副委員長を皆城芳乃に勝手に決め、誰にも文句を言わせなかったことにだけは謝りたくない胸を張って意見を拾い上げる。それは、律のクラスの話だけではなかった。
「その前に俺達はなんに感謝すんだ?」
勉強机に両脚を組みながら口を挟む颯馬の問題行動に口を挟ませなかったのも天野律、彼自身の問題行動にあった。
「学校を私物化しちまってワリ、公立なのによって感謝祭」
彼は、ヤンキーの中でも凶悪だった。一般的な族の様に裏で悪さをしてる訳でもなく、表立って慈善ですけど?なんて、スケバンのポジションを奪い代わることで、番長ではなく総長として、生徒会長から何から何までアタマが想起される要職を兼任し、あろうことか指名までしていた。
「そんなことはどうでもいい天野君でしょ?」
「皆城さんがなにを催したら喜んでくれるか集めたいだけだもんね」
そして、自分に自信がある可愛い子が、頭がいい子を抑えながら、彼の彼女を気取りながらの自己主張に動物園と言ってしまいそうになる花園が出来上がってしまう。
それも思春期が日を増すほど、ある子には陽になり、またある子には陰となり、問題児が校内に溢れ返り出した。
「皆城のこと知りもせず散々言っちまった。誰が一番の友達だったの?」
そうだっけ?まあいいや、全部俺が悪いってことにしとけと責任ばかりを負いたがることに力を感じちまってたんだけど巻き込まれたくないと逃げられないのがネットと学校の違いでもあった。
「一番話してたのは花ちゃんじゃなかった?」
「え!?」
「芹澤さん違ったなら謝るけど」
「エロいって天野」
机と机の隙間を通って、芹澤花の隣に座る様に、頭の位置を下げた俺は、彼女を覗き込むのにビックリした眼を、閉じてと柔らかな声色で聴き込んだ。
「そうかも知れません… ええと、お嬢ですが、これ話していいのかな?」
「とりあえず俺にだけ」
手を筒の様に丸め、俺の耳に当てた花ちゃんの口からは恐る恐るした声が聴こえた。
「怖いモノが大好きって言ってました」
「マジで?お化け屋敷?」
俺を怒らせて、怖がりたいだけ?
「お化け屋敷?」
「もう」
男子メイトが、口が滑った俺に聴き返すと、花ちゃんはムスッとするが、俺と内緒話した彼女に敵を作らない配慮でもあった。
「ごめんって、とりあえずお化け屋敷っと、他になんか皆城の好きなモンわかる人いない?」
教壇の教師(今年もゴリ先生)を横目に、俺はみんなの目と顔を見渡す。
「やっぱり本だと思う」
「忘れてた。読んでたジャンルわかる人いない?」
「なんか難しそうな本のイメージしかないよね?」
小さい活字の本で、ブックカバーをしており、誰も書名までわからないでいた。盗み読まれないなんてモテねーなアイツ。
「そっかあ。恋愛小説だったら面白かったんだけど」
「恋愛に興味はあるみたい」
「なんで?」
「天野君には内緒。ねー?」
「うんうん」
俺と小説の主人公を照らし合わせて読んでるとかか?と思うにも、男子軍団からはアニメだったり漫画、女子軍団からはアイドルや俳優のアレやこれやに数えきれないほど似てると証拠とする判断材料が多かった。
「なおさら何読んでたかが気になるな。なんでああも俺のこと気にして気に障ってる自爆スイッチなんだ?」
「少女漫画のヒロインになりたいんじゃないかな?みんなもそう思うよね」
「勇気あるよね。天野君に牛乳かけるなんてガチでビビったもん。それ少女漫画じゃないよってみんなで止めたんだよ?」
あまりの皆城芳乃の奇行に推理小説の主人公になって来た俺は、彼女が俺に求める愛の形を捉えてきたようだ。
「俺わかって来ちまった。みんな、一人一個ずつ、物騒なって感じのモノなんでもいいから明日持って来てくれないかな?もっとスリルあるレクしようぜ」
なんとかしてアイツを呼び込んでやる。
「お前の球は慣れんのもはええんだってザコ!」
「回転かけんのにも限界あるって!つか避けんなザコ!」
いつも最期にはコートに残る二人が、キャッチボールの様にドッヂボールをしていた。そんなことはどうでもよくて、、、。
「もう颯馬さん当たってよお〜私たち退屈なんですけど〜」
「ドッジ鬼っすか!もう小6だろイイ加減好きな子だけ狙ってけー!」
「天野くんどうしたの?」
俺は自分で言っておいて、好きな子がいるのに、いない青空とグラウンドの水平線に向かって、ぽっかり心の穴が空いてるように立ち止まり、そのまま泣きそうになってしまう。
「なんでアイツ来ねえの?」
「お前らクラス戻れ、先生にコイツもうダメだって伝えて欲しい」
颯馬が、俺の肩をどうしちまったんだよと揺さぶるのに、俺はそのまま揺れてるだけだった。
♢♢♢
「色紙書くんだけど、みんなで回して欲しい。俺、皆城のこと虐めちまったみたいで謝りたい」
「そんなことないと思うけど、なんて書けばいいか困っちゃうね」
坊主の顔をみた時、俺はこんな筈じゃなかったと強い違和感を覚える。
「律君、別に悪いことしてないよ、あの子が勝手にキレただけでしょ」
「やめとけ。死にたいって顔見えねえのか?」
普段はポーカーフェイス気味な俺は、フラットに近い気分だったり機嫌の時だけで、急上昇、急降下するとすごく顔に出やすい幼さが残ってる。
「色紙はいいや、死神な俺なんかにみんな気使ってくれてありがと。ってもなあ」
「お家がでしょ?お嬢は、そっとしておくしかないんじゃないかな?」
「っぽいよな。変に刺激したら返って来れないんじゃねえか?」
不登校になった皆城芳乃をクラスに戻すにもみんなで頭を悩ませる。
「ビラってのが思いついたけど文化祭待てねえし、待てよ?」
「律は生徒会長って思い出させてみた」
「坊主がいるって俺には」
アニメの見過ぎだろと背中を叩きつつも、そのアニメでアドバイザーになってくれる坊主を愛おしく抱き寄せはしないが、友情の握手をする。
♢♢♢
「感謝祭の出し物をみんなで決めたいと思います」
学級委員長でもある俺は、副委員長を皆城芳乃に勝手に決め、誰にも文句を言わせなかったことにだけは謝りたくない胸を張って意見を拾い上げる。それは、律のクラスの話だけではなかった。
「その前に俺達はなんに感謝すんだ?」
勉強机に両脚を組みながら口を挟む颯馬の問題行動に口を挟ませなかったのも天野律、彼自身の問題行動にあった。
「学校を私物化しちまってワリ、公立なのによって感謝祭」
彼は、ヤンキーの中でも凶悪だった。一般的な族の様に裏で悪さをしてる訳でもなく、表立って慈善ですけど?なんて、スケバンのポジションを奪い代わることで、番長ではなく総長として、生徒会長から何から何までアタマが想起される要職を兼任し、あろうことか指名までしていた。
「そんなことはどうでもいい天野君でしょ?」
「皆城さんがなにを催したら喜んでくれるか集めたいだけだもんね」
そして、自分に自信がある可愛い子が、頭がいい子を抑えながら、彼の彼女を気取りながらの自己主張に動物園と言ってしまいそうになる花園が出来上がってしまう。
それも思春期が日を増すほど、ある子には陽になり、またある子には陰となり、問題児が校内に溢れ返り出した。
「皆城のこと知りもせず散々言っちまった。誰が一番の友達だったの?」
そうだっけ?まあいいや、全部俺が悪いってことにしとけと責任ばかりを負いたがることに力を感じちまってたんだけど巻き込まれたくないと逃げられないのがネットと学校の違いでもあった。
「一番話してたのは花ちゃんじゃなかった?」
「え!?」
「芹澤さん違ったなら謝るけど」
「エロいって天野」
机と机の隙間を通って、芹澤花の隣に座る様に、頭の位置を下げた俺は、彼女を覗き込むのにビックリした眼を、閉じてと柔らかな声色で聴き込んだ。
「そうかも知れません… ええと、お嬢ですが、これ話していいのかな?」
「とりあえず俺にだけ」
手を筒の様に丸め、俺の耳に当てた花ちゃんの口からは恐る恐るした声が聴こえた。
「怖いモノが大好きって言ってました」
「マジで?お化け屋敷?」
俺を怒らせて、怖がりたいだけ?
「お化け屋敷?」
「もう」
男子メイトが、口が滑った俺に聴き返すと、花ちゃんはムスッとするが、俺と内緒話した彼女に敵を作らない配慮でもあった。
「ごめんって、とりあえずお化け屋敷っと、他になんか皆城の好きなモンわかる人いない?」
教壇の教師(今年もゴリ先生)を横目に、俺はみんなの目と顔を見渡す。
「やっぱり本だと思う」
「忘れてた。読んでたジャンルわかる人いない?」
「なんか難しそうな本のイメージしかないよね?」
小さい活字の本で、ブックカバーをしており、誰も書名までわからないでいた。盗み読まれないなんてモテねーなアイツ。
「そっかあ。恋愛小説だったら面白かったんだけど」
「恋愛に興味はあるみたい」
「なんで?」
「天野君には内緒。ねー?」
「うんうん」
俺と小説の主人公を照らし合わせて読んでるとかか?と思うにも、男子軍団からはアニメだったり漫画、女子軍団からはアイドルや俳優のアレやこれやに数えきれないほど似てると証拠とする判断材料が多かった。
「なおさら何読んでたかが気になるな。なんでああも俺のこと気にして気に障ってる自爆スイッチなんだ?」
「少女漫画のヒロインになりたいんじゃないかな?みんなもそう思うよね」
「勇気あるよね。天野君に牛乳かけるなんてガチでビビったもん。それ少女漫画じゃないよってみんなで止めたんだよ?」
あまりの皆城芳乃の奇行に推理小説の主人公になって来た俺は、彼女が俺に求める愛の形を捉えてきたようだ。
「俺わかって来ちまった。みんな、一人一個ずつ、物騒なって感じのモノなんでもいいから明日持って来てくれないかな?もっとスリルあるレクしようぜ」
なんとかしてアイツを呼び込んでやる。