元姫様はご臨終
 それから始まった、彼の目的解説。

 私がヤナギのことを執拗にジロジロと見るので、話を切り出したのだろう。

割り箸を噛みながら、彼の計画に耳を傾ける。

それは思った以上に、私と利害が一致しているものだった。

 「嶺春(れいしゅん)が目障りなんだよね。知ってる?嶺春」

 「、、、一応」

 元身内だとは言わずに、話を淡々と受け止める。

 「なら話が早い。二人で嶺春をぶっ潰さない?」

 「、、、なんで私のなの?」

 先ほど、ヤナギは人脈が広いと自称していた。

それが本当ならば、私以上に適任な逸材もいただろう。

なのに、なぜ私のような正体不明の少女なのか。

 しかし、私のそんな深い疑問は彼に届かない。


 「君にすっごいオーラ的なのを感じたからかな!」

 、、、はぁ。

 パッと能天気な笑顔を浮かべる彼に、探りを入れようとしたことが馬鹿らしくなる。

彼は、そんなパッとみた印象だけで私を適任したのだ。
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