元姫様はご臨終
麓冬の活動方針

殺風景な部屋で消滅しそう

 「倉庫じゃないでしょ、これ、、、」

 目の前に建つオフィスビルを見ながら、感嘆の声を漏らす。

雲を突き抜けるように高い、様々な一流企業が入っているガラス張りの高層ビル。

てっぺんを確認しようと視線を上げるが、高すぎて首が捥げてしまいそうだ。

 
 休日の午後3時20分。真昼間の街中に佇む一棟のオフィスビルの目の前に、私は連れてこられた。

私を連れて来たヤナギは『溜まり場を準備した』と言っていたが、まさかの高層ビルだったとは。

 口をポカンと開け、呆けた様子で見上げる私に、隣のヤナギは笑いかける。

因みに、ヤナギは副総長という立場に決定した。

幹部などを募るのはもう少し先で、今はまだ二人だけで良いとのことだった。

そんな副総長様は、目の前の建物についてサラッと説明をし始めた。
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