女帝は道化師に愛される
 「、、、ヤナギ。家具がなさすぎじゃない?」

 「そんなこと言われても、ここでは作戦会議をするだけじゃん。住む訳じゃないし」

 「そうだけど、、、嶺春(れいしゅん)となんか違う、、、」

 嶺春の倉庫は、温かみのあるログハウスという感じだった。

木造の、暖炉とかがありそうなキャンプハウスのような。

 しかし、ここは清潔感のあるホワイトインテリアという感じだ。

無機質で殺風景な部屋は、どこか寂しい。


 嶺春を褒めたくはないが、比べてしまえばあちらのほうが、、、

 『内装はないそう』という寒いギャグがぴったりな空間は、私の理想とは掛け離れていた。

しかし私の申し出を聞いたヤナギは、なぜかプンプンしている様子。


 「あんな奴らのが良いっていうの?」

 「、、、悔しけど」

 「なんでよー。だって僕センス終わってるんだもーん」

 悲しげにそう文句を言うヤナギの服装は、別に終わってなどいない。

カジュアルでシンプルな服装は、よく見たら質が良い。

白と黒で統一されているし、ダサくなる要素などないのだが、、、
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