波間に揺れる白い星
「なんでって……ただ遠いところにあるから、じゃない?」
「うん、そうだね。でも、私はね、あの星たちは近づきすぎたら壊れちゃうから、わざと遠くにいるんだと思うの。」
「壊れちゃう……?」
美咲は小さく頷いた。
「うん。例えば、私たちが何か大切なものを持っているとするでしょ。でも、それを近くに置きすぎると壊しちゃうことってない?」
恭介はその言葉に少し戸惑った。
「……美咲ちゃんって、なんか難しいこと考えるんだな。」
「そっか。変なこと言っちゃったね。」
「いや、そんなことないよ。ただ……美咲ちゃんの言うことって、なんとなくわかる気がする。」
「そう?」
美咲が振り返り、目が合う。その瞳はまるで星空の一部のように透き通っていた。恭介は言葉を失い、ただ頷くだけだった。