波間に揺れる白い星
「……ねえ、恭介くん。」
「うん?」
「私、この星空を見るたびに思うんだ。どんなに遠くても、ちゃんと見つけられるものがあるんだなって。」
「遠くても、見つけられる……?」
「うん。例えば、家族とか、大切な人とか。」
美咲の声はどこか寂しげだった。恭介は思わず彼女の横顔をじっと見つめた。
「美咲ちゃん、もしかして……何かあった?」
美咲は一瞬躊躇したが、やがてぽつりと話し始めた。
「私ね、今ここにいるけど、本当はこの家仮の場所なの。」
「仮の場所……?」
「うん。両親が離婚していて、ここに預けられてるの。」