波間に揺れる白い星
美咲は困ったような笑顔を浮かべながら、花にそっと触れた。
その仕草が妙に印象的で、恭介はしばらく見とれてしまった。
「ねえ、恭介くんも好きなものとかあるの?」
「好きなもの?」
「うん。この花みたいに、特別に好きなもの。」
恭介は少し考え込んでから答えた。
「うーん……俺、特にこれってものはないかも。」
「そっか。でも、何か見つけたら教えてね。」
「わかった。美咲ちゃんもまた何か教えてよ。」
「いいよ。その時は、もっと綺麗なものを見せるね。」
美咲が微笑むと、恭介は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。