波間に揺れる白い星
夜風が頬を撫でる中、恭介と美咲はゆっくりと歩いていた。
しばらく二人とも無言だったが、その静けさは不思議と心地よかった。
ふと、美咲が足を止めた。
「恭介くん。」
「ん?」
「私ね、この村がすごく好きなんだ。」
彼女は静かな声で言った。
「この村?」
「うん。海が綺麗で、人も優しくて、時間がゆっくり流れてる感じがするから。」
恭介は彼女の横顔を見つめた。
月明かりに照らされた美咲の瞳は、どこか寂しそうだった。