波間に揺れる白い星
「でも……ずっとここにはいられないんだよね。」
「それ、どういう意味?」
美咲は少し迷ったように俯き、ぽつりと呟いた。
「……もうすぐ、ここを出て行くことになるかもしれないの。」
その言葉に、恭介は驚いて彼女を見た。
「出て行くって……どこに?」
「次の場所。まだはっきり決まってないけど、また新しいところに行かなきゃいけないの。」
「なんで……?」
「……私には、本当の家がないから。」
美咲の声は静かだったが、その言葉には重みがあった。