波間に揺れる白い星
その日から、恭介と美咲はこれまで以上に一緒の時間を大切にするようになった。
朝食を一緒に作り、昼間は庭の手入れをしたり、星空を一緒に見たり。
ある日の午後、美咲が珍しく外出に誘ってきた。
「恭介くん、海に行こうよ。」
「海?いいけど、どうしたの?」
「ちょっと見せたいものがあるの。」
二人で砂浜に降り立つと、美咲は波打ち際に近づき、足元を指差した。
「ほら、これ。」
「……貝殻?」
「うん。でも、ただの貝殻じゃないんだよ。これね、波に削られて、こんな風にツルツルになるまで何年もかかったんだって。」