波間に揺れる白い星
一生忘れない
海辺に向かう道中、美咲がぽつりと呟いた。
「……ここで過ごすのも、あと少しなんだよね。」
その言葉に、恭介は足を止めた。
「……どういうこと?」
「親戚の人が新しい家を見つけてくれてね。そっちに行くことになったの。」
美咲の言葉は淡々としていたが、その瞳には明らかな寂しさがあった。
「そんな……急だな。」
「うん。でも、もう決まったことだから。」
恭介は拳をぎゅっと握りしめた。
この1ヶ月で、美咲が自分にとってどれだけ大切な存在になったかを、改めて痛感していた。