波間に揺れる白い星





もう俺の家族の迎えも美咲の迎えもきている…。


これで終わりなんだと思った恭介は立ち上がり、彼女の前に立つと深く息を吸い込んだ。



「……最後に、言わせてほしいことがある。」


「なに?」



「俺、美咲ちゃんの側にいれなくなるのが本当に嫌だ。でも……美咲ちゃんが幸せでいられるなら、それでいいって思う。」


美咲の瞳が揺れた。


「恭介くん……。」



「だから、どこに行っても絶対に俺を忘れないで。俺も絶対に忘れないから。」



美咲は涙を流しながら、小さく頷いた。






< 68 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop