波間に揺れる白い星
美咲が花を見つめる瞳はどこか遠くを見ているようだった。
「……美咲ちゃんって、なんか変わってるね。」
恭介がつい口にすると、美咲は一瞬驚いたような表情をして、それから小さく笑った。
「変わってるって言われるの、けっこう慣れてるよ。」
「いや、そういう意味じゃなくて……なんていうか、すごく細かいところをちゃんと見てるんだなって思って。」
「ありがとう。でも、恭介くんもそうだよね。さっきからこの花をじっと見てるし。」
「そ、それは……美咲ちゃんが見せてくれたからだろ!」
慌てて否定する恭介を見て、美咲はさらにくすくすと笑った。
その無邪気な笑顔に、恭介はまたしても視線を奪われた。