波間に揺れる白い星
美咲視点
一方、美咲はまた新しい生活の中で、沖縄を離れた日からずっと恭介のことを思い続けていた。
引っ越した先は小さな地方都市。
親戚の家に住むことになったが、環境が変わるたびに自分の居場所がどこなのか分からなくなるような感覚を抱えていた。
「私、またひとりぼっちになっちゃうのかな……。」
美咲は窓から見える景色を眺めながら、小さく呟いた。
そんな時、ふと手にしたのは、かつて沖縄で拾った貝殻だった。
波打ち際で恭介と一緒に見つけた、時間をかけて磨かれた小さな貝殻。
それを手に取り、美咲は静かに目を閉じた。
「……恭介くん、元気かな。」