波間に揺れる白い星
それから二人は正式に恋人としての日々を歩み始めた。
休日には一緒に街を散策し、美咲が気に入った場所を見つけると、恭介はそれをメモして次のデートプランに取り入れるのが恒例となった。
「恭介くん、ここいいね。」
「美咲ちゃんが好きなら、俺も好きだよ。」
「なにいってるの。もう。」
そんな何気ない会話が二人にとって特別な時間となった。
また、夜になると二人でベランダに座り、少ない星が見える東京の空を見上げるのも定番になっていた。
「やっぱり、星っていいね。」
「綺麗だね。美咲みたいに」
「もう、からかうの上手くなっちゃってさ」
「ならよかった美咲に負けたくないからさ」
恭介がそう言って、美咲の肩をそっと抱く。
美咲が恥ずかしそうに笑いながら寄り添う姿は、恭介にとって何よりも大切な風景だった。