白波銀行おひとりさま女子事情

「独り身が悔しいなら舵原もさっさと彼女作りなよ」

「余計なお世話だ、バカ」

……あれ?今なんか一瞬空気が重くなった気がする。

だけど清水さんは特に気にした様子もなく、「バカとか言うな!」と返してまた山崎さんと雑談を始めて。

舵原さんは席を外してしまった。

「そういえば、舵原さんって清水さんと同期なんですよね?」

ふと山崎さんが思い出したように言った。

「そうなんだよ~。だから、よく漣のことも相談に乗ってもらってて」

「そうなんですね」

「舵原って、なんだかんだ言って優しくて。落ち込んでる友達ほっとけないタイプだから悩んでる時、つい頼っちゃうんだよね」

確かに舵原さんは穏やかで優しい雰囲気だし、話も上手だから、いい相談相手になってくれそうな感じがする。

きっと仕事でもお客様から評判いいんだろうな。

なんて思っていたら、舵原さんが席に戻ってきて。

「こら清水、俺がいない間に俺の悪口言ってただろ」

そう言いながら、軽く清水さんの頭を叩いた。
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