白波銀行おひとりさま女子事情
#リアル恋愛フラグですが、なにか?
いつからだろう。拓海くんより、舵原さんのことを考えるようになったのは。
あんなにゲームの世界に夢中だったのに、最近は前よりゲームをしなくなった。
それはきっと――
「――以上でエリア勉強会を終わります」
「汐里ちゃん大丈夫?」
「え!?」
ぼんやりしていたら、清水さんに声をかけられて慌てて我に返った。
いつのまにか勉強会は終わっていて、みんなが帰り支度を始めていた。
「なにか悩みごと?」
「……いえ……」
「ホント? 何か悩みごとあるなら聞くからね?」
「ありがとうございます」
心配してくれる清水さんの優しさが嬉しい。
でも、舵原さんのことを考えていたとはさすがに言えない。
急いで支度をして、清水さんと一緒に駅へ向かう。
「それにしてもやっぱりムカつくわ、あのエリア長。誉められても全然嬉しくない」
「確かに。業績いいからって露骨すぎですよね」