白波銀行おひとりさま女子事情
電車の中で暇つぶしにスマホで大学時代から続けているSNSサイトにログインしたら、高校生時代からの親友である海輝《みき》から「おめでとう」メッセージが届いていた。
海輝もおひとり様ライフ満喫中だ。
中学から大学までずっと附属の女子校だったこともあり、男性と接するのが苦手らしい。
そんなわけで、私の周りはみんなおひとり様だからか、私自身もあまり気にしていないのだ。
「ただいま」
「お姉ちゃん、お帰り」
家に帰ると、珍しく妹の知花が出迎えてくれた。
「あれ、知花、今日はこっちに来たの?」
知花は去年から実家を出て、一人暮らしをしている。
だから、平日に実家に戻ってくることはなかったのに。
「今日お姉ちゃん誕生日でしょ? ケーキ買って来たから、食べて」
「ありがとう」
この年になって妹にケーキを買ってきてもらうって、嬉しいような、悲しいような。
結局、私の二十代最後の誕生日は、母と妹に祝ってもらって終わった。