白波銀行おひとりさま女子事情
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それは八月も半ばを過ぎた頃のこと。
世間ではお盆休みと言われているけど、お盆休みなんてなかった私は、週末に自室でのんびりと大好きなNeo Moonのライブ映像を観ていた。
(やっぱ涼夜の歌、最高だよ)
なんて浸っていたら、手元に置いてあったスマホが震えた。
画面を確認すると、知花からのLINEメッセージだった。
【お姉ちゃんに相談したいことがあるんだけど、今から来てもらっていい?】
相談したいこと?
わざわざ改まってそんなメッセージを送るなんて、どうしたんだろう?
【わかった。今から支度して行くよ】
戸惑いつつもそう返信をして、私は知花が一人暮らしをしているマンションへ向かった。
三十分ほどで着いてインターフォンを鳴らすと、
「お姉ちゃん、早かったね」
ドアを開けて出迎えてくれた知花が、驚いたようにそう言いながら部屋へ入れてくれた。
「相談したいことってなんなの?」
出してもらった冷たいお茶を飲んで尋ねると、
「……あのね……」
知花は言いづらそうにうつむいた。