白波銀行おひとりさま女子事情
【ありがとう! でもついにアラサーだ。また一緒にライブ行こうね!】
とりあえず帆波に返信。
帆波とは職場は違うけど、新人研修の時に同じクラスで、お互いNeo Moonの大ファンだと知ってから一緒にライブに行くくらい仲良くなった。
今では仕事の愚痴も言い合いつつ、大好きなNeo Moonについても語り合える大切な友達だ。
帆波も私と同じでおひとり様生活を満喫中。
私と違って結婚願望はあるようだけど、「今は自分の趣味の時間を楽しみたい」と言って、コピーバンドを組んでキーボードを弾いている。
お互い会えば「もうこの仕事辞めたいよね」「一生続ける気なんかないよね」なんて言いながら、それでもなんだかんだ同期として愚痴を言い合って励まし合って、また次に会う時までそれぞれの職場で頑張る。
気の合う同期という存在は、やっぱり社会人にとって大きなものだとつくづく思う。
支度をしてリビングに向かうと、トーストの香ばしい香りが漂ってきた。
「おはよう」
朝食の準備をしてくれている母親に声をかける。