白波銀行おひとりさま女子事情

でも、私は本気で清水さんの力になりたいと思っているんだ。

異動したばかりの時から丁寧に仕事を教えてくれて、ミスしても明るく笑い飛ばしてフォローしてくれる。

そんな清水さんのことが、私は仕事の先輩としてもひとりの人としても、大好きだから。

「さとちゃん、なんていい子なの! お嫁さんにしたい!」

「え? 漣さんはどうするんですか!?」

「あんなヤツ、もう知らん!」

「えぇっ!?」

「な~んてね」

可愛らしくそう言った清水さんは、いつもの明るい笑顔に戻っていた。


* * *


「おはようございます!」

翌朝、営業場に清水さんの元気な声が響いた。

「清水は朝から元気だな」

「可愛い後輩のお陰です」

課長の言葉に、清水さんがそう言って私に目配せした。

“可愛い後輩のお陰です”

その一言がじんわり心に広がっていく。

「今日も一日頑張ろうね!」

「はい!」

清水さんの言葉に、私は笑顔で頷いて準備を始めた。

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