白波銀行おひとりさま女子事情

それから、用意していたパンフレットを見せながら商品の説明をして、投信購入が決まった。

「それじゃ、またよろしく」

「はい。ありがとうございました」

一通りの手続きを終え、ほっと一安心。

話してみるとちょっと細かい感じのお客様だったけど、投信成約ができて良かった。

時計を見ると、十二時をちょっと過ぎたところ。

今日はもうアポはないし、切りがいいからお昼休憩に行っちゃおうかな。

「投信購入お願いします」

事務担当の石田さんに書類を渡して私は食堂へ向かった。

今日のメニューであるカレーライスを食べていると、食堂に置いてある電話が鳴った。

近くにいた浜中さんが出てくれたけど、私の方に視線を向けている。

もしかして、私?

「山崎さん、滝下課長から」

課長から? どうしたんだろう。

なんとなくイヤな予感がする。

「はい、です」

『食事中に悪いけど、すぐ来てくれる? 投信不備だから』

「え!?」
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