白波銀行おひとりさま女子事情
【話したいことがあるんだけど、今週の日曜日空いてる?】
【空いてるよ】
【じゃあ、午後一時にいつものお店で】
そして、約束の日曜日。
待ち合わせ時間より少し早めに着いた私は、海輝との女子会で必ず入る喫茶店に入って、結実が来るのを待っていた。
「お待たせ」
少しして、海輝が笑顔でそう言って私の向かいの席に座った。
でも、心なしか前に会った時より痩せている。
目も、まるで泣きはらしたように腫れている。
「どうしたの?」
そう訊かずにはいられなかった。
話したいことがあると言っていたからには、何かあったことは間違いない。
「……とりあえず、何か頼もうよ」
海輝は私の質問には答えずにそう言って、メニューを開き始めた。
すぐに話すこともためらうくらい、大きな出来事なのだろうか。
注文を終えると、海輝はお冷を一口飲んで、ぽつりとつぶやくように言った。
「彼氏と別れちゃった」
「え?」
思わず聞き返すと、海輝はうつむいたまま続けた。