白波銀行おひとりさま女子事情

「別にナンパじゃないって」

「どうだか。可愛い後輩に手出したら許さないからね」

そう言いながら私の前に立って、まるで私を守るように舵原さんの前に立つ清水さん。

ふたりのやり取りが面白くて、思わず笑ってしまう。

そう言えば、さっきふたりは新人時代の同期って言ってたっけ。

だからこんな風に気さくに話せるんだ。

「おふたりって、新人時代の同期なんですよね」

「うん、そうだよ。それから、漣もね」

ちょっと恥ずかしそうに清水さんがつけたした。

そっか、旦那さんも新人時代の同期だったんだ。

「清水さんって新人の頃どんな感じだったんですか?」

「え、ちょっと、それ訊いちゃう!?」

「清水はこんな感じでいつもうるさかったな」

「舵原、うるさいとか言うな!そこはせめていつも元気って言ってよ!」

「でも、漣の前では人が変わったみたいにおとなしくなってたけど」

「へぇ~清水さんって漣さんの前ではおとなしいんですか」
< 91 / 135 >

この作品をシェア

pagetop