白波銀行おひとりさま女子事情
「お、舵原くんお疲れ」
そこへ接客を終えた課長が席に戻ってきた。
「この前の勉強会のおかげで、みんな士気が上がって成果が出始めてるよ」
「お役に立てたなら嬉しいです」
課長の言葉に、舵原さんは少し照れたような笑顔を浮かべている。
やっぱり拓海くんに似てるなぁ。
「次の勉強会は二月二十一日で大丈夫かな?」
「はい、よろしくお願いします」
その後、課長と少し話をして、
「じゃあ、また勉強会で」
私に笑顔でそう声をかけて、舵原さんは慌ただしく営業場を出て行った。
次回の勉強会、楽しみだな。
ふとそんなことを思った自分に自分で驚いた。
勉強会なんて面倒くさいだけなのに。
もしかして私、舵原さんに会えることを楽しみだと思ってる……?