白波銀行おひとりさま女子事情

「お世辞じゃないって。水野さんも舵原くんはイケメンだと思うよな?」

「えっ!?」

突然同意を求められて、一瞬焦る。

っていうか課長、なんで私に振る!?

「そうですね、イケメンだと思います」

ここはもちろんそう言うべきだよね。

実際、私もホントにそう思ってるし。

「課長、ずるいですよ。上司に言われて否定できるわけないじゃないですか」

でも、舵原さんは私が課に長言わされたと思っているみたい。

舵原さんって無自覚イケメンさんなんだ。

「いえ、課長に言わされたとかじゃなくてホントにそう思ってますから」

私が慌ててフォローすると、

「だってさ。人の褒め言葉は素直に受け取りたまえ」

課長がわざとらしくふざけた口調でそう言うから、おかしくて思わず笑ってしまった。

「きゃあ~!」

「!?」

和やかな雰囲気の中、突然悲鳴の様な声が聞こえて、ビックリして声がした方を見ると…

「清水さん、ラブラブでいいな~」

山崎さんが清水さんのスマホを見て羨ましそうな声をあげた。
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