求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
父は大昔からそんな風に真っ直ぐに突き進む猪のような性格だとはわかっていたけれど、これまでは長く傍で支えてくれた執事も紹介状を持って居なくなり、父の性格をどうにかしてくれている慣れた存在は、もう居なくなってしまったのよね。
……さて。これから私は……どうしようかしら。
弟リシャールも渋い表情を浮かべたままで、戸惑っているようだ。ここで私が借金を返すための仕事を探すため隣国に向かい馬車に乗ったという父様を追い掛けたとしても、間に合わないだろうと思う。
困ったわ。
だって、リシャールは男子生徒のみの寄宿舎ありの貴族学校に戻れるけれど、貴族令嬢として暮らしていた一人娘である私の処遇は、宙に浮いてしまった。
私はお父様について行くつもりだったけれど、それはもう出来なくなってしまった。
「姉様。落ち着いて。大丈夫。一人にはしない。僕もこれからは、一緒に暮らすよ。絶対に一人にしないから、そんな風には落ち込まないで欲しい」
リシャールは亡くなったお母様譲りの可愛らしい顔を凜々しく引き締めて、私の手を握った。
……さて。これから私は……どうしようかしら。
弟リシャールも渋い表情を浮かべたままで、戸惑っているようだ。ここで私が借金を返すための仕事を探すため隣国に向かい馬車に乗ったという父様を追い掛けたとしても、間に合わないだろうと思う。
困ったわ。
だって、リシャールは男子生徒のみの寄宿舎ありの貴族学校に戻れるけれど、貴族令嬢として暮らしていた一人娘である私の処遇は、宙に浮いてしまった。
私はお父様について行くつもりだったけれど、それはもう出来なくなってしまった。
「姉様。落ち着いて。大丈夫。一人にはしない。僕もこれからは、一緒に暮らすよ。絶対に一人にしないから、そんな風には落ち込まないで欲しい」
リシャールは亡くなったお母様譲りの可愛らしい顔を凜々しく引き締めて、私の手を握った。