求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「そうだな。別の竜騎士団にも竜舎があるから、そちらに引き取ってもらうか……俺ももうすぐ決断せねばなるまい」

「そんな……」

 まさか、こんなにも大きな事態になってしまうなんて、私はなんて事をしてしまったの……仕事にも慣れて来たから、自分には慢心がなかったかと言えばそうではなかった。

 ジリオラさんにも生まれつき力の強いアスカロンについては、特に注意するようにと何度も注意を受けていた。まだ幼くて力を制御することが出来ないのは、あの子のせいではないのだから……と。

 不注意な私が何もかも、悪いのに……。

「ウェンディ。言っただろう。大丈夫だ。ここからは、俺がなんとかするから、君は気にしなくて良い。竜騎士団長は俺だ」

 団長は微笑んでそう言ってくれたけれど、私は彼の言葉を聞いて『そうですね。私のせいではないので』なんて、安心することなんて出来なかった。

「あの……団長。まだ、時間がありますよね? 竜舎を取り壊し、ルクレツィアになんとかしてもらうまで……」

「……ああ。そうだな。まだ、いくつか方法を試してみるつもりではあるが……」

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