求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「だよねー……いや、それはそうだよね……他でもない、ユーシスがね。まさかね」

 きっぱりと言い切った団長に、セオドアは眉を寄せたまま何度か頷いていた。

 私は二人のやりとりを聞いて、ほんの少しだけ複雑な思いにはなった。けど、アスカロンをぎゅっと抱きしめて思い直した。

 ここは恋愛禁止という厳格な規則のある竜騎士団なのだから、団長の言葉は何も間違えていない。

 そうよね……私だって恋愛なんかよりも、生活していくための仕事の方が大事なんだから……。
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