求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「えー……だって、ウェンディ。僕はようやく気がついたんだよ。そういうすぐに良いと言わない、予想外の事を言って来る女の子が好きだったみたい。君って僕の予想外のことしかしないんだよね。だから、一緒に居て楽しい」

 にこにこ微笑んで私の事が好きだと言われたけれど、理由も理由だから、全く嬉しくないし複雑な思いだわ。けれど、セオドアは私が喜んでいると思っていそう。

 ジリオラさんが再三に渡って、セオドアのことを『残念な男』と評している理由がわかる気がする。外見は団長と同じく良いのに……本当に残念。

「……お断りします。どうか、私以外の方を選んでください」

 私は洗濯物を干し終わると、空になった籠を持って、彼から逃げるように移動することにした。

 私とジリオラさんが子竜守の仕事で忙しい間は、洗濯物については新人騎士が干して取り入れまでをやってくれていた。

 けれど、最近は子竜たちの食事の回数も三回になって量も減り、晴れた日中には担当の竜騎士が羽根を動かす事に慣れた子竜たちを、近くの草原に連れて行って飛行練習させていた。

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