求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
だから、これまでは寝藁を交換するのもその場に居る子竜たちを少しずつ移動させての作業になっていたけれど、今は子竜たちが外出して居ない時間があるから一気に掃除することが出来ていた。
アレイスター竜騎士団で働き始めて、約二ヶ月間。子竜守が最も忙しい時期を乗り越えて、私にもようやく、ゆっくり出来る時間が与えられていた。
「えー! どうしてー! だって、君の暮らしの面倒はすべてみるし、すぐに婚約しても良いよ。ウェンディは貴族だからね。僕の本命の女の子になるんだよ」
切々と語るセオドアったら、本当に残念な人……だって、私が本命だということは、他が居るということよね。これを言われて、頷く女性が居ると思っているの?
少なくとも、私はそうではないわ。
「絶対に……嫌です」
「えー……どうして。こんなにも良い話は他にはないよ」
私は籠を持って歩いていたんだけど、建物を曲がってすぐに、目の前に美々しい黒竜が見えて驚いた。
「えっ……?」
一瞬、それは団長のルクレツィアかと思った……けれど、違う。彼女よりも雄々しく、気持ち大きな身体で、私が見た事のない神竜だった。
アレイスター竜騎士団で働き始めて、約二ヶ月間。子竜守が最も忙しい時期を乗り越えて、私にもようやく、ゆっくり出来る時間が与えられていた。
「えー! どうしてー! だって、君の暮らしの面倒はすべてみるし、すぐに婚約しても良いよ。ウェンディは貴族だからね。僕の本命の女の子になるんだよ」
切々と語るセオドアったら、本当に残念な人……だって、私が本命だということは、他が居るということよね。これを言われて、頷く女性が居ると思っているの?
少なくとも、私はそうではないわ。
「絶対に……嫌です」
「えー……どうして。こんなにも良い話は他にはないよ」
私は籠を持って歩いていたんだけど、建物を曲がってすぐに、目の前に美々しい黒竜が見えて驚いた。
「えっ……?」
一瞬、それは団長のルクレツィアかと思った……けれど、違う。彼女よりも雄々しく、気持ち大きな身体で、私が見た事のない神竜だった。