求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「だから、ユーシスは貴族令嬢が大っ嫌いなんだよね。ウェンディはあいつの事知らなかったようだけど、それは珍しいことなんだ。王族の血を引いている。陛下にも気に入られ、いつ何時、王族として返り咲くかわからない。それに、養子とは言え、カートライト侯爵家だしね。良き結婚相手を得たい貴族令嬢に迫られる事が日常で、それに嫌気が差して、嫌いになったらしいよ」

「あの、どうして、それを私に?」

 団長が強い竜力を持ち王家の血を引いているだろう話までは、会話の流れに沿ったものだと思う。

 けど、この話は……私を牽制しているようにも思えて。

「さあね。どうしてかな……当ててみる?」

 セオドアは面白そうに微笑み洗濯籠を持ち何も言えなくなった私を置いて、興味をなくした気まぐれな猫のように去っていってしまった。

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