求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。

17 涙

「ウェンディ。そろそろ子竜たちが帰って来る頃だから、私らも竜舎に戻るかね」

 私は洗濯物を干し終わりセオドアと別れてから、騎士団詰め所の近くで空を見てぼーっとしていたら、ちょうど通りがかったジリオラさんに声を掛けられたので慌てて立ち上がった。

 一日のほとんどを共にしていた子竜たちも、日中は一緒に居ない。子竜たちの飛行訓練には、ジリオラさんと私の出番はなかった。

 外部からの刺激にとても敏感でか弱く生まれたての子竜は竜力を持つ貴族女性、つまり子竜守の手ですべてお世話するのが一番良いらしい。けれど、ふた月も経って健康に育てば外界の刺激や男性にも慣れることが重要となり、これから子竜たちはゆっくりゆっくりと私たちの手を離れていく。

 それは、心の中では寂しいと思ってしまうけれど、これまで少しも気が抜けずに眠れない日々を思い出すと、ほっと安心してしまう気持ちだって大きい。

「……最近は、飛べる子も少しずつ増えて来ましたね」

 最近は竜舎の中でもパタパタとちいさな翼を羽ばたき飛行する子竜たちも多く、歩いている私の後頭部にいきなり抱きつく子竜も居た。

 危ないから駄目だと言っても、楽しげにキューキュー鳴くばかりで止めてくれない。

 そんなことを一切されていないジリオラさんに言わせると、子竜たちも相手を選んで悪戯を仕掛けているらしく、私は子竜たち対し甘すぎるらしい。

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