求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
 ……これから、私も子竜守の仕事にだんだんと慣れて、子竜たちとの適切な距離を測れるようになるのかもしれない。

「まあ、そろそろ巣立ちの時期だからねえ……生まれたての子竜が三ヶ月で巣立とうというのに、どこかの成人の年齢を越えた王子様も、早く大人になって欲しいもんだけどね」

 隣を歩くジリオラさんがため息混じりに話し、先ほど団長がジルベルト殿下に怒鳴られていたことだろうかと思った。

「あの。私もジルベルト殿下に、謝罪した方が良いんでしょうか?」

 あれは私の仕出かしの責任を団長が取ってくれただけで、あの人は何も悪くない。

「いやいや。あんたがそれをすると、ユーシスの面子を潰してしまうことになるからやめときな。私も心配になって、ユーシスに話は聞いたんだけどね……いやらしい要求を言い出したもんだよ。本当に殿下はユーシスが嫌いなんだねえ」

「え? ……何か、団長は殿下に要求されたんですか?」

 ジリオラさんの言葉を聞いて、私は愕然として慌ててしまった。アスカロンが光の繭に篭もってしまった件が、こんなにも大事になってしまうなんて思わなかったのだ。

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