求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「いや、ノーラン侯爵令嬢とユーシスの縁談自体は、前々からあったんだよ。だから、これはウェンディが何をしたという話でもないんだよ。けど、今回は立場を悪くしたことには変わりないからねえ……あの子も本当に、真面目で優しいのに報われない子だよ」
アレイスター竜騎士団に三十年居るというジリオラさんから見れば、団長もセオドアだって小さな男の子の頃から見守って来た子には変わりないのだろう。
はあっと大きくため息をついたジリオラさんに、私は無言のままで後に付いて歩いた。
◇◆◇
私が食事をさせようとアスカロンの部屋の中へと入ると、そこにはいつものように様子を見に来たらしい団長が居た。
慈しむ目をアスカロンに向け、頭を撫でて何かを言っているようだ。
部屋へと入って来た私に気がつき、振り向くと何も言わないことに気がついたのか、彼の方から声を掛けてくれた。
「……ウェンディか。どうした?」
いつものように微笑み、いつものような口調だった。私のせいで嫌な縁談を押し付けられそうになっているというのに、団長は優しい。
アレイスター竜騎士団に三十年居るというジリオラさんから見れば、団長もセオドアだって小さな男の子の頃から見守って来た子には変わりないのだろう。
はあっと大きくため息をついたジリオラさんに、私は無言のままで後に付いて歩いた。
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私が食事をさせようとアスカロンの部屋の中へと入ると、そこにはいつものように様子を見に来たらしい団長が居た。
慈しむ目をアスカロンに向け、頭を撫でて何かを言っているようだ。
部屋へと入って来た私に気がつき、振り向くと何も言わないことに気がついたのか、彼の方から声を掛けてくれた。
「……ウェンディか。どうした?」
いつものように微笑み、いつものような口調だった。私のせいで嫌な縁談を押し付けられそうになっているというのに、団長は優しい。