求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
この手で苦労して育てて来たと言っても過言でもない子竜たちと、中途半端な時期に離れたくはなかった。
……せめて、あの子たちが巣立ちを済ませるまでは、一緒に居たい……けど、それは無理なんだわ。
座ってため息をついて居た私の頭に、ぽんっと柔らかな何かが衝突し、被って居た帽子が飛んでいた。
……いいえ。楽しそうな子竜が、私の帽子を持って飛んでいた。
「こら! 帽子を返しなさい!」
「キュキュキュっ……キュッ!」
あんなに楽しそうなところを申し訳ないけれど、まだまだ体力の少ない子竜はすぐに落ちてしまう。座っていた私は立ち上がって走り出し、帽子を持って飛んでいる子竜を追った。
「もうっ……! こんな悪戯して、おやつ、なしだからね!」
私がそう脅しつけると、子竜は慌てて振り返り高度を落とした、しめたと思って小走りでその子竜を捕まえようとしたら、草原にあった何かにつまずいて転んでしまった。
「っ……」
すぐ目の前にあったのは、団長が驚くほどに綺麗な目を開いた顔だった。しかも、私は横になっていた彼の上に倒れ込んでしまっていた。
「キュキュキュッ……! キュキュキュ!」
帽子を持って逃げていた悪戯好きな子竜は楽しげに笑い、とんでもない状況に顔を熱くしてしまった私の方を見ていた。
……せめて、あの子たちが巣立ちを済ませるまでは、一緒に居たい……けど、それは無理なんだわ。
座ってため息をついて居た私の頭に、ぽんっと柔らかな何かが衝突し、被って居た帽子が飛んでいた。
……いいえ。楽しそうな子竜が、私の帽子を持って飛んでいた。
「こら! 帽子を返しなさい!」
「キュキュキュっ……キュッ!」
あんなに楽しそうなところを申し訳ないけれど、まだまだ体力の少ない子竜はすぐに落ちてしまう。座っていた私は立ち上がって走り出し、帽子を持って飛んでいる子竜を追った。
「もうっ……! こんな悪戯して、おやつ、なしだからね!」
私がそう脅しつけると、子竜は慌てて振り返り高度を落とした、しめたと思って小走りでその子竜を捕まえようとしたら、草原にあった何かにつまずいて転んでしまった。
「っ……」
すぐ目の前にあったのは、団長が驚くほどに綺麗な目を開いた顔だった。しかも、私は横になっていた彼の上に倒れ込んでしまっていた。
「キュキュキュッ……! キュキュキュ!」
帽子を持って逃げていた悪戯好きな子竜は楽しげに笑い、とんでもない状況に顔を熱くしてしまった私の方を見ていた。