求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「駄目よ。リシャールの貴族学校の学費や必要経費は、父様のご友人が出してくださる事になったのだから、ちゃんと行きなさい」
私は貴族学校へ戻ることを渋るリシャールに、諭すようにして言った。
幼い弟には何も描かれていない、まっさらな未来が広がっているし、それを姉のせいで潰してしまう訳にはいかない。
たとえ、没落してしまった名ばかり貴族だろうと、リシャールが何かでお金を稼ぎまた領地を取り戻して、元の貴族としての生活に戻ることが出来る。
今ここで私のせいで、リシャールの将来を潰してしまう訳にはいかなかった。
「けど、姉さんっ……」
「失礼します! ライルでございます。お久しぶりにしております。ウェンディお嬢様。リシャール坊っちゃま」
リシャールがなおも私へ言い返そうとしたその時、父が出て行って開かれたままだった扉から遠慮がちに顔を覗かせたのは、以前グレンジャー伯爵家に仕えていた騎士ライルだった。
茶色の髪に赤い目を持つ若い彼は二年前に『竜騎士になりたい』という夢を叶えたいと言って、出て行くことになった。私たちは明るい性格の彼の門出を祝い、快く送り出したものだった。
私は貴族学校へ戻ることを渋るリシャールに、諭すようにして言った。
幼い弟には何も描かれていない、まっさらな未来が広がっているし、それを姉のせいで潰してしまう訳にはいかない。
たとえ、没落してしまった名ばかり貴族だろうと、リシャールが何かでお金を稼ぎまた領地を取り戻して、元の貴族としての生活に戻ることが出来る。
今ここで私のせいで、リシャールの将来を潰してしまう訳にはいかなかった。
「けど、姉さんっ……」
「失礼します! ライルでございます。お久しぶりにしております。ウェンディお嬢様。リシャール坊っちゃま」
リシャールがなおも私へ言い返そうとしたその時、父が出て行って開かれたままだった扉から遠慮がちに顔を覗かせたのは、以前グレンジャー伯爵家に仕えていた騎士ライルだった。
茶色の髪に赤い目を持つ若い彼は二年前に『竜騎士になりたい』という夢を叶えたいと言って、出て行くことになった。私たちは明るい性格の彼の門出を祝い、快く送り出したものだった。