求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
私は団長と契約結婚であったとしても、貴族であれば子竜守を続けられる。
団長だって私のあの失敗のせいでジルベルト殿下に圧を掛けられ、意に沿わない相手と結婚を押し付けられることもなくなる。
……私たち二人が契約結婚すれば、お互いに得で損することはない。
「団長さえ、良ければ」
選択肢なんてない私は震える声で、そう言って頷いた。もちろん提案した団長が否やと言うはずもなく……私たちは、契約結婚をすることになった。
◇◆◇
私たちは二人で連れ立って、アスカロンの部屋へと向かった。
これは、団長の提案で……すぐにでも、私たちの婚姻の儀を済ませてしまうためだ。
ディルクージュ王国王侯貴族の婚姻の儀は、お互いの竜力を交わすという特殊な方法なので、本来ならば結婚式を済ませた初夜に行うような事なので、あの草原で行う訳にはいかない。
私たちは黙ったままで、婚姻の儀の準備をした。それには、お互いの胸にある紋章に、同時に触れる必要があった。
「ウェンディ。俺は目を瞑っているから、君の紋章に、俺の手を当ててくれないか」
団長だって私のあの失敗のせいでジルベルト殿下に圧を掛けられ、意に沿わない相手と結婚を押し付けられることもなくなる。
……私たち二人が契約結婚すれば、お互いに得で損することはない。
「団長さえ、良ければ」
選択肢なんてない私は震える声で、そう言って頷いた。もちろん提案した団長が否やと言うはずもなく……私たちは、契約結婚をすることになった。
◇◆◇
私たちは二人で連れ立って、アスカロンの部屋へと向かった。
これは、団長の提案で……すぐにでも、私たちの婚姻の儀を済ませてしまうためだ。
ディルクージュ王国王侯貴族の婚姻の儀は、お互いの竜力を交わすという特殊な方法なので、本来ならば結婚式を済ませた初夜に行うような事なので、あの草原で行う訳にはいかない。
私たちは黙ったままで、婚姻の儀の準備をした。それには、お互いの胸にある紋章に、同時に触れる必要があった。
「ウェンディ。俺は目を瞑っているから、君の紋章に、俺の手を当ててくれないか」