求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
上半身裸になった団長は、目を瞑り、私へ右手を差し出した。私は服を取り払い、毛布を巻き付けていたので、その中へと彼の手を導き、自らの心臓の上にある紋章へと当てた。
……目を閉じたのに初めて見えてしまった、筋肉がとても凄かった団長の上半身の残像が、瞼の裏から消えていかない。
「……大丈夫です」
邪念を振り払うように、私は大きく頷いた。
「よし。始めよう……」
私たちは声を合わせてディルクージュ王国に古くから伝わる『誓いの言葉』を、共に詠唱した。現在ではそのままでは意味が通じない古い言葉だけど、共に一生涯の愛を誓うとそういう意味らしい。
『誓いの言葉』を言い終わると、弾けるような白い光が部屋に溢れて、私は目を閉じた。
そして、団長がそっと手を戻したので目を開くと、彼の左胸にある紋章にある竜が二匹になっていた。
私も後ろを振り返って毛布の中にある自分の紋章を確認すると、さきほどまでそこにあった柊の葉を持つ一匹の竜ではなくて、二本の剣を支える二匹の竜へと変化していた。
……目を閉じたのに初めて見えてしまった、筋肉がとても凄かった団長の上半身の残像が、瞼の裏から消えていかない。
「……大丈夫です」
邪念を振り払うように、私は大きく頷いた。
「よし。始めよう……」
私たちは声を合わせてディルクージュ王国に古くから伝わる『誓いの言葉』を、共に詠唱した。現在ではそのままでは意味が通じない古い言葉だけど、共に一生涯の愛を誓うとそういう意味らしい。
『誓いの言葉』を言い終わると、弾けるような白い光が部屋に溢れて、私は目を閉じた。
そして、団長がそっと手を戻したので目を開くと、彼の左胸にある紋章にある竜が二匹になっていた。
私も後ろを振り返って毛布の中にある自分の紋章を確認すると、さきほどまでそこにあった柊の葉を持つ一匹の竜ではなくて、二本の剣を支える二匹の竜へと変化していた。