求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
ここで諦めてくれることを祈りつつ、書類を抱いたまま、私は廊下を進んだ。
「変わってるねー……贅沢に慣れているはずの、貴族令嬢なのに」
セオドアは私に断られても、気にする様子もなく後へとついて来た。このまま竜舎まで来られても仕事中に話掛けられても迷惑なので、私は立ち止まり彼へと向き合った。
背の高いセオドアも面白そうな表情で、私を見下ろした。きっと、何言い出すか楽しんでいるのね。
「セオドアが無一文になった私のことを面白がって、アレイスター竜騎士団へ雇ってくれることを後押ししてくれた事は知っています」
「……へえ。そうなんだ」
これは、不意を突かれたはずなのに、彼は楽しそうに微笑んだ。面白いことが起きたといわんばかりに。
「それで、こうして子竜守の仕事を得られたことは、とても幸運でした。ありがとうございます。けれど、セオドアと付き合ったり、結婚することはありません。ごめんなさい」
きっぱりと言い切って、私はセオドアを見た……どう? これなら、諦めてくれるでしょう。だって、私には一切、その気がないもの。
「変わってるねー……贅沢に慣れているはずの、貴族令嬢なのに」
セオドアは私に断られても、気にする様子もなく後へとついて来た。このまま竜舎まで来られても仕事中に話掛けられても迷惑なので、私は立ち止まり彼へと向き合った。
背の高いセオドアも面白そうな表情で、私を見下ろした。きっと、何言い出すか楽しんでいるのね。
「セオドアが無一文になった私のことを面白がって、アレイスター竜騎士団へ雇ってくれることを後押ししてくれた事は知っています」
「……へえ。そうなんだ」
これは、不意を突かれたはずなのに、彼は楽しそうに微笑んだ。面白いことが起きたといわんばかりに。
「それで、こうして子竜守の仕事を得られたことは、とても幸運でした。ありがとうございます。けれど、セオドアと付き合ったり、結婚することはありません。ごめんなさい」
きっぱりと言い切って、私はセオドアを見た……どう? これなら、諦めてくれるでしょう。だって、私には一切、その気がないもの。