求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「……団長は、だからアレイスター竜騎士団なんですね」

 竜力があれほどまでに強いのだから、王族を守る近衛竜騎士という手もあっただろうに。

 けれど、王城中での勤務となると、団長が嫌がっているという女性たちに囲まれてしまいそう。

 ……ここは、団長にとっては、女性に狙われる自分を守ってくれる砦だったのかもしれない。だから、私を雇う時にあれだけ渋ったんだ。

「まあ……そういうことだよ。だから、ユーシスは駄目だよ。僕なら、全然大丈夫なんだけどね」

「お断りします」

 私は何度言っても諦めてくれないセオドアを連れて竜舎まで戻り、彼はジリオラさんに仕事しろと怒鳴られて結局戻ることになった。

< 145 / 215 >

この作品をシェア

pagetop