求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「父様は……金を稼ぐために異国に行くと、さっき慌てて出て行ったんだ。僕たち二人を置いて」
「は!? お嬢様と坊ちゃまを置いて……ですか? 旦那様が……!」
ライルはまるで想像もしなかったであろう、あまりの事態に絶句していて、リシャールは無表情のままで頷いた。
「そうなんだ。我が父親ながら、あり得ないことになってしまったんだが、全て事実なんだ」
「あの……ライル。今ここに貴方が来てくれて、これもご縁だと思って頼むわ。どこか……私が働けるような、働き先はないかしら?」
「姉様!」
リシャールは苛立った声をあげたけれど、今はそんなことを、気にしている場合ではない。
私は現在、住む家もなければ食べるものもない。リシャールは貴族学校に行くはずなのに、一人になる姉と共に居ると言う。
私はただ心配してくれて来てくれたライルに悪いと思いつつ、働き先を都合して欲しいとスカートを摘まんで頭を下げた。
「出来る事は……何でもします。リシャールはある方のご好意で貴族学校に行けることになっているの。私一人だけでも、暮らしていける稼ぎがあるのであれば、それで構わないわ」
「は!? お嬢様と坊ちゃまを置いて……ですか? 旦那様が……!」
ライルはまるで想像もしなかったであろう、あまりの事態に絶句していて、リシャールは無表情のままで頷いた。
「そうなんだ。我が父親ながら、あり得ないことになってしまったんだが、全て事実なんだ」
「あの……ライル。今ここに貴方が来てくれて、これもご縁だと思って頼むわ。どこか……私が働けるような、働き先はないかしら?」
「姉様!」
リシャールは苛立った声をあげたけれど、今はそんなことを、気にしている場合ではない。
私は現在、住む家もなければ食べるものもない。リシャールは貴族学校に行くはずなのに、一人になる姉と共に居ると言う。
私はただ心配してくれて来てくれたライルに悪いと思いつつ、働き先を都合して欲しいとスカートを摘まんで頭を下げた。
「出来る事は……何でもします。リシャールはある方のご好意で貴族学校に行けることになっているの。私一人だけでも、暮らしていける稼ぎがあるのであれば、それで構わないわ」